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風次郎の『八ヶ岳山麓通信』 No242
 
明け行く八ヶ岳山麓(2015.4)

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                     初夏と畑作業 

 
                                  三月に入ってから、初夏と言っても良いほどの日が今日に至るまで何日かあった。
                                 だが、天気の不順は四月に入ってもはっきりせず、季節は冬へ行ったり来たりの様相
                                 であったと思う。
                                  八ヶ岳にはまだ中腹より上の方に雪もあるし、遠く眺める富士は白い雪を纏ったま
                                 まである。
                                  そんな中で彼岸の頃をやりすごしても、畑には霜が降り春の雪が舞う日を恨めしく
                                 眺めつつ、農家の人は困っているだろうなと思ったので、地元で農業を営む知人に聞
                                 くと「こういう年もあるさ、時期がズレるのは困るが、アクセクしてもしょうがねえカラ――
                                 」と自然相手の人は焦ってはいないから頭が下がる。
                                  それでも、勤め人と農業を一緒にやっているいわゆる兼業農家が増えたから、仕事
                                 の段取りを気にする傾向はある、と笑っていた。
 
                                  私は早く畑に立ちたいから、空とにらめっこをして日延べをしていたが、やっと四
                                 月の半ば過ぎには寒波を挟んで今度は極端に夏をも思わせる晴れた日がやって来た。
                                  やれやれ!と畑仕事に精を出すことにした。
                                  先ず、農協のセンターへ消石灰と元肥を購入しに行った。
                                  毎年この頃になると農協の店舗は、始動した農家の人々で賑わいを見せ、活気があ
                                 る。俄か農家の一員になった気分で紛れ込み、一丁前に資材を買い求めるのは楽しい
                                 ことの一つでもあるのだ。
                                  昔は、袢纏姿で手拭の頬かむりをし、地下足袋を履いたおじさんたちも大勢やって
                                 きていて、農繁期を控えた農村の好もしい風景だった。今はゴルフ帽にジャンパー、
                                 モダンな長靴といった出で立ちが定番?ということだろうか――。

                                  畑作業と言っても、私のは相変わらず真似事の域を出ず、30坪ばかりの処へ、孫
                                 たちが遊びに来た時の楽しみの為の作物をつくるだけなのだが、土に親しむのは心の
                                 糧にとても気持ちが良いことに昨年気が付いて、励みになっている。
                                  作物は又それに加えて食する実利が楽しめるのが有難い。
                                  今年も、ジャガイモ、ネギ、トウモロコシ、カボチャ、ユウガオ、アカウリなどを
                                 予定し、取りあえずジャガイモの植え付けから始めることにした。
                                  石灰を蒔き、畑を起こして均し、一週間を置いてたてた畝に元肥を施して床をこし
                                 らえ、用意した種芋を包丁で2〜3に切り分けて木灰を眩す。私は素人だと自認し
                                 ているから、以前から言われている通りに作りやすい大白と男爵を植え付けた。
                                  狭い畑でも、鍬を振るうと汗を掻く。暖かい日の初夏の風は膚に優しく、首に巻い
                                 た手拭で汗を拭うさえ気持ち良い。
                                  半日の作業に程良い疲れを与えられ、心地良く過ごす初夏の日であった。

                                  桜は既に終わったから、その目では季節は足早である。八ヶ岳山麓では花は一斉に
                                 咲き始める。5月の連休にかけてが梅と桜の見頃というのが通り相場であるから、例年
                                 では初夏の気分はまだ早い。
                                  白樺やコナラの芽吹きはまだで、当然ながら落葉松林は細枝がボウとして全体
                                 がグレーがかったままの山である。
                                  だが、庭先の水仙の花の向こうには、ユキヤナギが白い花を長い尾のように垂れ下
                                 げ、畑の向こうに立ちあがった木蓮の木は大きな紅いの花を枝いっぱいにつけている。
                                  いよいよ山里の植物たちは、耐えてきた冬をやっとやり過ごした意気込みで、今年
                                 の生育に動き出す時が来たのであろう。花の季節が来る。

                                  躍動の季節がいよいよ始まる、嬉しい季節が来たような気がする。
 
                                                                      風次郎                                


4月の八ヶ岳(2015.4.1)  

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