☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
  ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
       
風次郎の『八ヶ岳山麓通信』 No229
  
  ユキヤナギも咲いた

★★★★★★★★★★★★★★★★★
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

                                                     2014年4月27日
山麓の春(2)                                                          
                                                    風次郎
                                                  fuujiro3@jcom.home.ne.jp

                                今年の春は急激にやって来た。
                               つい1週間前、あまりに暖かくなったのに驚きつつも、花の咲くのが遅い物足らなさを感じ
                              つつ、5月の連休まで楽しみを先に押しやって庭の片付けをはじめ、畑に入ったのだった。
                               ところが、1週間を置いて訪れてみると、これはまた2度驚きで、里の桜は当然の如くに、
                              山の桜までもが咲き始めて周囲の色花と共に春爛漫を謳歌しているではないか。
                               高地の春は梅も桜も一緒、それに加えて山桜、レンギョウ、芝草の間にはタンポポの黄色が
                              加わり、さつき類やモクレンの紅が混じって、賑やかに、艶やかに見渡せる季節になっている。

                               風次郎の菜園では、その後を心配していた玉葱の様子も、どうやら順調な天候に助けられて、
                              マルチの丸い穴の中からしっかりと伸びはじめていたのでホッとした。
                               まだまだ朝晩は気温が下がり、山から下りてくる霧が里を流れ通る頃の朝は、気温の降下と
                              湿気で遅霜があっても当然の季節だ。だから、まだ棒葱など表面の強い作物以外苗ものはハウ
                              スなどで囲った場所でなければ作付が出来ない頃ではある。
                               風次郎はあらかじめ用意してあった配合された肥料を畑全般にまき散らしてから、先週に引
                              き続いて畑を耕した。そこには5月にはいってから、ジャガイモを蒔き、カボチャとユウガオ
                              を植えつけて弦を這わせる積もりである。

                               狭い30坪の畑と言っても、精を出して鍬を振るうと汗が出る陽気になった。
                               シャツ一枚になってゆっくり土を起こしていくが、長靴の中には土が飛び込んできて、靴下
                              は瞬く間に泥まみれになってしまう。しかし、土にまみれて、休む間に腰を伸ばす時の気持ち
                              は格別、爽快である。
                               まだ雑草はとても少ないが、時々鍬で起こしたところに絡んでくるナズナやハコベを、腰を
                              落として手に取ろうとしゃがみ込むと、そこには陽を浴びた黒土の香りが漂っているのが分か
                              るほどだ。
                               暖かい黒土は懐かしい感じがする。
                               土に近づくと地球に生命が引き付けられるように安堵に馴染むのか、土には親しめる感じが
                              広がっている。
 
                               そんな気分の良さに誘われて、畑では冬を越してきた牛蒡の芽に近づいてスコップを当てて
                              みた。
                               昨年の春、牛蒡は初めて種を蒔いてみたが、秋になってもあまり育っていないようだったの
                              で、そのまま放ったまま冬を越したのである。
                               牛蒡は「根」の作物であるから、地中を深く掘らねばならない。子供の頃、親爺の牛蒡堀を
                              手伝ったことがあるが、地中深く下がっていく根を追って、脇から穴を掘って根を掘り出すの
                              である。
                               この穴掘りが大仕事だった。
                               スコップは30cm程は入るが、本仕事はそこからが始まりである。
                               ひと差しでは牛蒡は地表に見える葉から少し下までしか見えず、そのものの太さが確かめら
                              れる程度に過ぎない。
                               ふた堀目のスコップは、石に当たった音がした。
                               これが厄介だ。石が出だすと、そのあたり一面は石のある場所として広がっているのである。
                               もともとこの辺り富士見は、八ヶ岳の裾野を開墾して畑にしたところである。だから火山灰
                              土、赤土の場所であるから大概は石が沢山出る畑だ。時には大きな石にぶつかって先に掘り進
                              められなくなることだってある。
                               何せ、土地の名前が字夫婦石という地籍であるし、2つの相対の大石が数カ所にある地帯と
                              いう因縁も物語っているということで致し方もあるまい?。牛蒡の下は石だらけであった。
                               大きな石がなく何とか掘り進められたが、赤土の地中で石に当たると、たとえ5cm程度の
                              ものであってもなかなかスコップが入らず難儀した。
                               格闘、2時間かかって約1uの牛蒡の穴を掘り10本を越える長さ6〜70cmの、まずま
                              ずの牛蒡の収穫ができた。 

                               汗を掻いたが、収穫の実感は大いに歓びに値する牛蒡の収穫であった。
                               陽は高くなってさんさんとした輝きの初夏であった。                                      
                                   
                                                                                    (風次郎)
                                          

メルマガ「八ヶ岳山麓通信」No230へ 
メルマガ「八ヶ岳山麓通信」のトップへ
風次郎の「八ヶ岳山麓通信」のトップへ
風次郎の「東京JYYLIFE」のトップへ
メルマガColumn『東京ジョイライフ』のトップへ
風次郎の「世界旅」へ