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風次郎の『八ヶ岳山麓通信』 No221
富士見駅と春八つ(2013.04)
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2013年4月21日
八ヶ岳山麓早春
風次郎
fuujiro3@jcom.home.ne.jp
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急に暖かい日になったり、思い直したように冬の寒さが戻ったり、なかなかすっきり
とした春がやってこないと思っていたが、八ヶ岳の雪は峰の方に残るだけになり、里に
は梅が咲き、桜もそろそろかと思わせる日和がおとずれた。
季節の移りは不順で遅々としているようでも春は来るものだ。
そうなると畑に向かい「さて今年も土との戯れはどう取り組んでみようか」と思案し
たりする。
いつもの通りじゃがいもとネギとトウモロコシなどが精々ではあろうが、去年はモロ
ヘイヤと人参、それに枝豆を収穫できた。知り合いがタマネギなら素人でも大丈夫だと
かアスパラを植えると毎年収穫ができるとか、アドバイスをしてくれるが、新しい試み
もどうせ失敗しそうだからと自分を許して、なかなか手を出さない。
うまくいかない畑作業ではあるが、孫たちにじゃがいもは根に実が成り、カボチャは
弦に花が咲いてから実る実際の様子を見せてやりさえすれば少々の目的を達する、と許
容範囲は広い。
老境に入った我が身にしても、ここ数年は地球に生きる植物たちの生命を預かって育
てるような気持ちを感じる自分を見出して、ささやかな幸せ感を得たりもしているから、
それなりの寄る年波ということだろう。
何処かに境地まで求めていくのはやむを得ない。
畑の脇に立つ木蓮は、たくさんの花をつけて咲き始めた。東京よりはほぼひと月遅い。
もうすぐに白いモールのユキヤナギが垣のように南天寮の庭先を取り巻き、白樺林に
淡い新芽が広がればあっという間に春半ばである。
その頃やっと、飛んでくる鶯の声が聞こえたりする。鶯はどこかの里の梅の小枝でし
っかり鳴きつづけてからこちらへ来るのだろうから、ここで聞く鳴声は確かな「ホーホ
ケキョ」ではあるが、その頃春は終わっている。鶯にしてみればせめてものサービスと
いったところか――。
今、まだ土手は枯葉色を脱しきれない。やがて、ヤマブキの黄色が土手をうずめ、少
しづつ緑が増して、それはこの山麓ではもう初夏の訪れと一緒である。
そう、山麓の春の訪れは初夏と一緒。百花争うように野山に咲き競いながら時が進め
られていく華やかな季節の訪れなのである。
明るい菜の花の黄色が眩しい。
春が来てよかった。
(風次郎)
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