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風次郎の『八ヶ岳山麓通信』&『東京センス』  
   No154


阿弥陀岳北壁(日陰の部分)

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                                                2006年2月12
               このごろ
                                                    風次郎
                                                  fuujiro@jcom.home.ne.jp

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立春が過ぎて、「春」を思う頃、寒暖の急激な変化を織り交ぜてむしろ「絶頂の冬」
を感じさせられる頃である。
 雪を輝かせる陽光に、時として鋭さを見出すのもこの頃だし、一方で一年で最も寒い
日をもたらすのもこの頃だ。
 ものごとの進展、盛り上がり、成長、或いは完成に至るプロセスは「絶頂」の直前で
最高のものとなり、「絶頂」は直ちに急激な「崩落」であることが多い。

 宇宙の流れは3ステップのリズムと、4ステップのリズムが組み合わされて成り立っ
ている。と私は若い時代から思い込んできた。なかにはデジタル信号のように、1と2
だけをのものもあるが、これも4ステップが基準で最初の1と2、次の1と2
がセットなのだと私は思っている。
 音楽の世界でも、とても気持ちよく響く8ビートなどは同じように4と4のセットに
過ぎない。なかには3と4を組み合わせた7拍子がラテンなどに登場するが、これは
音楽の世界だけ、というよりその曲トータルを捉えると3または4拍子に帰結する。
道理の進展には3の倍数または4の倍数以外は無いように思う。

「道理」は「動理」でもある。つまり4ステップは「動理」では「吸入」「圧縮」「爆
発」「排気」だが、「排気」に「吸入」をスライド(ダブり)させてロータリーエンジンは
3ステップを成りたたせているのであって、この4ステップのプロセスがリズミカル
に行われずして動力の置換はない。
3ステップの「動理」は「ホップ」「ステップ」「ジャンプ」のように、或いは音楽の「ワルツ」
のように、あるにはあるが動的でサイクルとしては経過的である。

 地球が回転運動を行っているのだって、太陽エネルギーとの置換が必ずや4サイクル
で行われているはずだと信ずる。四季をも4サイクルで考えれば、春と秋が正反対であ
ることがよく理解できる。つまり風次郎のロマンの中では「吸入」と「爆発」なのである。
 であれば「冬」は、宇宙に生を与えられた事象にとっては「排気」つまり「空」を全
うする時なのであろうか。仏教的に哲学を追えば「無」に帰すべきなのであろう。
 宇宙は動体である。
つまり、究極は急激な解消への誘いの時である。
そしてそれはまた必ずある「次」へのステップである。

 八ヶ岳の「硫黄岳」近くで雪崩が起きて登山者が巻き込まれた。
 雪崩は赤岩の頭から硫黄岳に向かう馬の背のようになった稜線の南の沢であったよう
だ。この尾根は常に北から南への風が強く、雪は少ないし猛烈に寒い。南側の沢は急斜
面の剥き出しであるが、雪が張り付いていたのだろうか、一歩南側の斜面に通路を取れ
ば日当たりの暖かな春の道、そこに誘われたのだろうか。いずれにせよ通常だと雪崩に
会うようなところではないのに。
 数日前「阿弥陀岳」でも遭難騒ぎがあった。冬の阿弥陀の北斜面は真下から眺めると
アイガーやマッターホルンに似て見えるところもあり、元気のいい若者に人気のようだ
が上に上がって帰路を間違えたとか。携帯電話を持って登りながら磁石を使わなかった
のだろうか。八ヶ岳は深い沢に入らなければ全域NTTの携帯電話が通ずる。居場所を
見失うなどと言うことは無いと思っていた。
 
 春の尾根に輝く雪は実に美しい。それは崩落の直前、天の創造した作品の完成した姿
なのであろう。
 花を見るのも散り際であるという。すべてが次の世界に転換する究極のときが最も美
しいということだろう。
 春山は人気が高いが、その天の創作の完成と胎動の季節であれば、そこに挑む人間は
真摯な眼をもってして、愉しまねばなるまい。
 要するに自己に対してどう目を向けるかである。

 「流転」を垣間見る。
 あるいは目まぐるしくさらされる世情の「流転」の数々に触れて、静かなものの見方
を渇望するこのごろである。


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