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風次郎の『八ヶ岳山麓通信』No132

月見草
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                 お盆    
                                                     風次郎
                                                  fuujiro@jcom.home.ne.jp

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今年もお盆がやってきた。家族でこの高原の町にやって来てお盆を過ごす。
 墓守をしている風次郎にとっては弟の新盆(あらぼん)である。あいかわらず
暑さが厳しい昼さなか、三光寺の住職が今年も孫を連れてお経をあげて
いってくれた。

 陽が落ちて過ごしやすくなった庭に迎え火を焚くと、新たに鬼籍に入った
弟と、父母を失ってむかえた夏、新盆の迎え火を焚いた時を思い起こした。
 その頃、私は長年の患いをもつ弟を施設から迎えて、お盆をこの南天寮で
過ごすことをならわしのようにしていた。その時も私の家族はみな来ていた
のだが、迎え火をつけたのは弟と私だった。
 二人は元気のいい孫たちや、他の家族が火に寄ってくるまで、ぼそぼそと、
「盆さん、盆さん、この灯かりで来ておくれ」と唱えた。
何となく寂しいお盆だった。
 しかし、その弟も最後は盆暮れの外泊も不可能となり、ついに昨年の秋逝
ってしまって、今、父母とともに盆の帰宅を迎えられている。

「盆さん、盆さん――」-----
 孫娘が今年も問う。
「どうして火を焚くの?」
「死んだ人は夜にならないとお墓から帰ってこれないんだ。暗いからお家が
良く見えるように火を焚くんだ。」
「お墓の人はみえないんだよねえ。そしてすぐ仏壇に入っちゃうんだ。」

「ひいじいと、ひいばあと、おじちゃんがくるんだね!おじちゃんのことは
○○知らないや」――
 世代はこんな風にして刻々と引き継がれていくことになる。
 それが時の流れだから――

 日中の暑さは変わらないが、宵の涼風は格別だ。庭には虫も鳴き始めてい
る。

   

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