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風次郎の『八ヶ岳山麓通信』No121
アカシアと駒ケ岳
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2005年5月28日
甲斐駒ケ岳
風次郎
fuujiro@jcom.home.ne.jp
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まだ雪の残る今頃の甲斐駒が、1年で1番綺麗だと思う。
東京から富士見へ早朝の中央道を走り、勝沼で降りて静かな甲府の市街を
通り抜けて、国道20号線が県境に掛かる。右に八ヶ岳、左に南アルプス鳳
凰三山と甲斐駒ケ岳がちょうど朝陽に照らされる時間だ。
白州あたりからの八ヶ岳はまだ少し遠いが、甲斐駒ケ岳にはそのあたりに
流れ下る駒ケ岳山襞からの何本もの河川があり、川の岸辺に立って、間近に
山頂の岩壁を見上げるのが好きだ。
このあたりから見る駒の岩壁は北側に雪の残った険しい岩肌である。その
顕わなさまが男性的に「山」が大きく迫る観をもたらす。初夏の冷気にくっ
きりと浮かび上がるのが良い。
5月24日も好天であった。
雲はほとんど見られず、川の土手には私の好きなアカシアの花がそよと揺
れていた。なんとその花の下から雪の駒の峰が輝いて望まれるではないか。
甲斐駒ケ岳は眺めるばかりで登ったことはない。
私の生家である南天寮からは、釜無渓谷の向こう側に雨乞山がどでんと居
座って、そのまるびた輪郭の上にちょこんと甲斐駒の三角の峰が、いつも見
えた。
夏は青くゴツゴツと見えたが冬は白い尖った塊だった。
雨乞い山の向こうでその峰は鋸山の連峰に連なり、その鋸山の裾が釜無川
に降りて手前の谷へ及んでいるのだ。
高校時代から山岳会に所属した山好きの兄は、甲斐駒には冬でも一人でも
行きたいほど魅力のある山だったらしい。“山へは一人では行かんでよう”
と、時々母が駒ヶ岳へ行く兄を気にしていた。
兄の話だと、釜無の谷から取りつくコースは、どんどん源流を極めると大
小の滝が重なるように続き、さらに“七つ釜”という不思議な岩の奇形が並
ぶ秘境に至るという。そしてそこをよじ登るようにして鋸の尾根ヘ辿り着き、
幾つかの峰を越えて甲斐駒の頂上へ着くのだと言った。
私には険しそうな山だとの思い込みがある。
富士見から眺めるこの山は、常に北側の姿を見ることになる。どちらかと
言えば陰の斜面だし、険しい印象はそれも影響しているのだろうか。
再び富士見で生活をするようになった3年ほど前の夏、医師会の事務所の
同僚で若い頃から山をやっているというH氏に、「今年こそ甲斐駒へ行って
来たいのだが」と、様子を教えてもらったことがあった。
「白州の登山口から山頂を極め、北沢峠で一泊して長谷へ下りれば楽なコー
ス」とのことだった。「鋸山に廻るコースは面白いが、どうかな?」と付け
加えられ、そこが難コースであることと、登山道らしき道は確保されていな
いことも示唆された。
結局その年も私の事情に登山を許れない事が起きて、未だこの山には足を
向けていない。
しかし、山を眺めることは良い。
季節良し。風も心地良い。やはり何時か登りたい山だと思う。
(風次郎)
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