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風次郎のColumn『東京楽歩』
(No379T−92)
国立大学通り(14.12)
2014年12月
東京楽歩(No92)
東京秋色2 国立界隈
家の前の道路から、坂道を下って行くと、まだ途中の家々の庭に見る形の整えられた
もみじは綺麗に紅葉したままであった。
国立の秋は駅から真っ直ぐに続く大学通りの銀杏が、真っ黄色の葉を散らして落ち始
めることで終わりを告げるのである。
春は花の桜、夏は緑の木陰、それぞれに人々を楽しませ、秋は先ずその桜の葉が赤い
彩りを放つことに始まり次々と一橋大学の森の紅葉を誘いながら、ついにはここの銀杏
の黄葉に至るのである。
久しぶりに、遅い午後の大学界隈を歩いた。
ドウダンの深紅は今がピーク、椚もまだオレンジの葉をつけて美しい。欅が天高く広
げた枝から、午后の陽にその彩りを煌めかせながら舞い落ちる葉を散らしている。
そういえば今年は未だ東校舎前のメタセコイアを見てなかったと思い出して、東キャ
ンパスの通用門を入って行く。大学院の建物の脇を右に折れると、大学通りに面した門
の正面の池の辺に立つ大きな2本のメタセコイアの下に出るのだ。
数年前、私は所属するゴルフ場で沢山この木の紅葉を見て、その名を知ったのであっ
た。その後、ここにその大木があるのを改めて意識して眺めるようになった。
ある時「セコイア」について紐解き知ると、私はこの木がますます気に入ってしまっ
た。メタセコイアがセコイアと同じスギ科であることは言うまでもない。メタセコイア
は日本発と言うところが素晴らしい。
メタセコイアは1939年に日本の関西地方の第三紀層で、常緑種のセコイアに似た
落葉種の植物遺体が発見され、発見者の三木茂博士によりセコイアに「のちの、変わっ
た」という意味の接頭語である「メタ」をつけて『メタセコイア』と命名されたとのこ
とである。
日本各地で新生代第三紀層の化石に見られるが、カナダ北部・シベリア・グリーンラ
ンドなど北半球の北極周辺に広く分布しているようだ。
もともとの由来であるセコイアは、チェロキー文字を発明したチェロキー族インディ
アンの賢人、シクウォイア(セコイア)にちなんで命名されたアメリカ木である。世界
一の樹高を誇るカリフォルニア州レッドウッド国立公園のセコイアは、平均的な大きさ
が樹高80メートル、胸高直径5メートル、樹齢400年から1300年と言われるか
らその逞しさに驚いてしまった。さらに、厚さ30センチに及ぶ樹皮、そして木質部は
タンニンを多く含み、病原菌や白蟻の侵入を拒むという。
この厚い樹皮は、他の広葉樹が燃え尽きてしまうような山火事の際にも木の内部を守
り、北アメリカ西海岸に見られるセコイアの純林は、度重なる山火事によりできあがっ
たものと考えられているという。
また、丈夫なので利用価値が高く、建材としてインディアンの作るトーテムポールの
原材料でもあるし、日本では庭園の木や記念樹として栽培されている。
メタセコイアがその兄弟分であるところにも魅かれるし、立木の姿は天高く、真っ直
ぐであることが何とも好ましい。
そしてその紅葉は、この一年の履修を謳いあげて留めるように燃える姿であり、時を
置かず落葉するのである。
今年の大学のメタセコイアはほんの少々赤い葉を残した姿であった。既にピークを過
ぎてしまっていたが。
門を出て広い通りへ出ると、まるで明かりがともったような銀杏の黄色が目の当りを
輝かせているように飛び込んできた。
桜の葉の紅葉に始まったこの通りの秋は、遅れて色付く銀杏の黄葉を楽しませて今日
を愉しませている。
12月の声を聴くと、既に他より少し早い落葉であった駅寄りの銀杏は、年毎順番に
さっぱりと枝を払ったこの銀杏の背の高い木にイルミネーションが灯されるのである。
夕暮れの早まった通りを行き交う人々に、冬の知らせを奏でるように点滅を繰り返し
て季節暦をうったえるようでもある。
今年も暮になった。
風次郎
一橋大学のメタセコイア 大学通り夜はイルミネーション
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