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風次郎の世界旅
 イベリア半島駆け歩き
  [スペインとポルトガルの旅]

music by KASEDA MUSIC LABO


ロカ岬
                     

 (13)リスボン―2―終章

             旅の最終日が訪れた。
            体調が優れなかったが、今日帰路につけるのだと思うと気は落ち着いた。恐らく風邪を引いたのであろう。であれば一週間の時間
           がたたなければ治るまい。インフルエンザは症状が出たときもう遅いのである。仲間の周囲にもすでに苦戦している人が何人かい
            たから、そちらから廻ってきたのかもしれない。いずれにしても他へ移らない配慮をしなければならない。幸いはなが丈夫だったから、
           はなに協力を求めた。
            座席は私が奥へ座り、タオルを常に身近において咳を少なくすることだ。只、喉の痛みは激しく、頭痛がしたが、咳がなかった。

            空港へ向かうバスへ乗る前にもう一度ホテルの前のリベルダーデ通りへ出て、はなとベンチへ座り写真を撮ってもらった。
            リスボンは本当に美しい魅力的な都だと思う。今回は日数も少なく、観光に出かけた場所も多くなかったから又いつか再訪したい
           と思った。
 
            リスボンの空港は市内からもすぐ近くてスムースな搭乗であった。数日前慌ててバルセロナ行きに乗り換えたヒースローでは、今度
           はゆっくりと待つことができた。
            私は添乗員に頼んでできるだけレストルームに近い席をあてがってもらった。 全て順調に整い機が飛び立つのを待つばかりになっ
           てホッとした。
            ブリティッシュエアーラインもスムーズなフライトで助かった。私は音楽を聴くほか、できるだけ眠って過ごそうとした。食事も1回は食
           べ切れて良かった。

            成田へは30分早く到着した。朝の11時だった。他の具合の悪い人たちも無事だったようだった。お互いに長旅の疲れを癒そうと声
           を掛け合って別れた。
            いずれにしても何事もなく家にたどりつけて良かったと思った。
            私はその後5日間床に臥せってしまった。
 
            かといってこの旅に悪い印象を持ってはいない。
            旅は良い印象を貯めれば、忘れがたい懐かしい思い出が膨れるが、不幸にして状況に恵まれなくても、思いがけないことに巻き込
           まれても、今回のように健康を害しても、思い出の数に変わりは無い。懐かしさは時に増幅してアルバムに残るものである。
            今回の旅でも、毎日をともに過ごした同行仲間の顔は忘れられない、楽しい日々の連続であったと思う。
            青い海原は地中海にも大西洋にも広がっていた。大して美味いと思わなかったスペインの料理も、ポルトガルの風変わりな料理も、
           花咲き溢れる歴史多き伝統の都も、権威者が奮い立ったかつてのシンボル建築も、そして荒涼たるイベリアの石の大地も人々が生
           きるに事欠かない充分な世界であることを思いつつ、又夢を広げて日々を送っているのである。
            今日も‐‐‐‐‐。
 

                                  〇 〇 〇 〇  〇 〇 〇 〇〇 〇 〇 〇  〇 〇 〇 〇                 完

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