風次郎の世界旅
 アフリカ南部の旅
(3)

  
   ザンベジ川が見えてきた

3.ジンバブエ入国(ヨハネスブルグ・オリバー・タンボ⇒ザンビア・リビングストン⇒ジンバブエ
  ・ビクトリアフォールズ) 

 
                    このツアーの主なスケジュールは順番に、
                    T、ジンバブエ側からのビクトリアホールズ観光、
                    U、ボツアナのチョベ国立公園での所謂サファリドライブとボートサファリ、
                    V、南ア・プレトリアでのジャカランタ開花鑑賞、
                    W、ケープタウン観光である。
                    ビクトリアホールズに2泊、プレトリアに1泊、ケープタウンに2泊する。 

                                          ○

                    ビクトリア瀑布へはジンバブエのビクトリアホールズ市にも空港があるので直行するのが好都合な
                   のだが、席数が少ないのか、私達のツアーはザンビアのリビングストン空港に降りて、ジンバブエへ
                   国境を越えるのである。
                    手続きに時間がかかるのは織り込み済みであったが、ヨハネスブルグでの国内線搭乗は12時45
                   分の予定が、1時間も遅延した。
                    BA機(B737)への搭乗はゲートからバスで向かった。機はカラフルな宣伝のサファリ調ボデ
                   ィーペインティングを施してあった。
                    朝降り立ったときは青空の端に夏雲のような白い雲が散らばっていたのだが、真昼になってその雲
                   は消え去り、真っ青な空から射す強烈な南半球の陽光が眩しかった。これが乾季のサバンナの空なの
                   であろう、湿気が少ないので不快な暑さは無い。が、気温は30度を超えているのである。
 
                    待たされた挙句の出発であったが、BA機はスムーズに飛び発ち、機内で昼食が配られ、やっと腹
                   の虫がおさまった感じがした。もっとも昨夜から今朝にかけては、1回余計に食事をした勘定ではあ
                   るが――。私はチキンとクッキーにオレンジジュース、となりの妻はなはパスタを、渇いた喉に美味
                  しく戴いた。
                   1時間の飛行を過ぎる頃から、窓を覗くと下にザンベジ川の大きな蛇行が見えた。高い山は無く草
                  原の広がりのように見える。これがサバンナの大地なのか!
                   前の席にいたグループ仲間のTさんが、「先の方に雲のように見えるのがビクトリア瀑布ではない
                  のかな!」と言ったので身を乗り出すようにして眼をやると、薄く水煙が上がっているような景色が
                  あった。
                   「いよいよ来たぞ!」と胸をなでおろした。
                   機は着陸態勢に入り、難なく草原の中にあるといった殺風景なリビングストン空港に着陸した。そ
                  れほど大きな空港ではないが、サバンナの中にある格納庫と一体化した建物は新しくて、旅客の使う
                  ホールなどはピカピカしていた。
                   この辺の空港は、その日の勤務体制の状況や職員の気分次第のようなもので、手続きにやたらと時
                  間がかかったりするのだそうだ。しかし、心得た添乗員(萩原さん)の機転でザンビアへの入国手続
                  きは私達のグループが一番乗りで手続きを終えることが出来た。
                   炎天下の空港ビルの前に現地ガイドと小型のバスが待っていた。
                   空港はリビングストン市街地の外れにあったので、私達を乗せたバスはその最も中心街を通ってジ
                  ンバブエとの国境へ向かうという。
                   私はザンビアの繁華街の様子が伺えるものと期待したが、市街地と言え、5〜6のビルの他はあり
                  ふれていて、平屋の伝統的民家も多く建ち並び、看板を掲げたり、処によっては広告塔を建てたりし
                  てある程度で、ビジネス街の様相も感じられなかった。あとで聞いたら役所のある地域だったとのこ
                  とであった。

                   ザンビア共和国は1964年に英連邦系として独立してスタートしたが、経済は埋蔵量、産出量と
                  もに世界有数を誇る銅を中心とした鉱山資源に依存している国である。この地域は観光資源としての
                  ビクトリア瀑布が人を呼び込んでいるが、依然として貧しいと言わざるを得ないのだろう。草履履き
                  の大勢の人々は道路脇にあたかも屯しているように見えた。
                   30分も走ると、ビクトリア瀑布の下流にある国境に架かる橋「ビクトリア大橋」を渡った。
                   そしてその先にジンバブエの国境(入国)管理事務所があった。
                   長い車の待ち行列が2本もあった。私達のバスの運転手は、要領よく大型トレーラーなどの間を縫
                  って先に出たが、現地ガイドにパスポートを預け管理事務所の前で待たされることになった。
                   実は、現地ガイドの知人が国境の管理事務員に居るということで手回しをしてくれたのであったが、
                  それでも手続きにおよそ1時間を要した。
                   さすがに32度の気温の中では暑かった。と言うのは、バスのエアコンの性能がエンジン停止中は
                  利かないと言うのだ。窓を開けると、私達が気にしている「蚊」が入ってきてびっくり、「虫よけ」
                  が早速活躍したりもした。誰かが、「この車はトヨタなんだけどなー」と言った。日本車は優秀だか
                  ら、停止中もエアコンには耐えられるのだが、お国で引退した中古車がこちらで働いているのであろ
                  う。車内の装備にもにもそれらしき風情が見え隠れしていた。国力の差はこの場合致し方あるまい。
 
                   私達はジンバブエ側の滝に近い、ビクトリアフォールズ市のホテルに滞在することになっていた。
                   16時前にホテルにチェックインして身支度を直し、早速ヴィクトリア瀑布の観光に向かうのであ
                  る。
    
                                                                     風次郎
                   アフリカ南部の旅(4)へつづく


ザンビア リビングストン空港

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