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風次郎の『八ヶ岳山麓通信』No
9
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春が来ました。
今週は月曜日と木曜日に時々激しく降る雨がありました。
木曜日の夜半は風も伴う言わば春嵐でしたが、風次郎は“ああこれでやっと春
が来るな。”と、長かった冬を思い出しながら夜を過ごしました。この小さな春嵐は
真夜中にあがり、夜明け前の空には星の煌きがいっぱいでした。
晴れた大空を廻(めぐ)る星の輝きを眺めながら、まだ寝静まっている町を抜
けて高台に立てば、少年のころから聞かされてきた星座物語を思い出します。
みな美しい恋と、勇気ある戦いの物語です。
星の位置はいつも変わります。それは地球が廻るし、星たちも動くからです。
真冬に北の山の端いた「大熊」は北極星を東から廻っていま北西の高い空に居座
っています。これから夏に向けて、南の空には大きな「さそり」が陣取ってくる
のです。星の「白鳥」は、いつも天空を舞い続けます。
空が白んで来る頃、大きく光る金星のとなりに三日月が並び、丁度その下に富
士山がおぼろげな影を現しました。地上から近いところは雨上がりの白い霧の海、
富士は金星と月の光に照らされてまだ眠っているいるようでした。
2回の雨で高原の町富士見にも雪が無くなってしまいました。まだ梅も水仙も
何の花もない殺風景な街ですが、これから急速に春景色に変わります。梅も桜も
、タンポポも蓮華草もみな一緒に春を楽しむのです。
この雨が、春を告げたのです。
(3月28日 風次郎)
3月最終週末の上諏訪発17時44分「あずさ」に乗る。
随分日が延びたので、夕陽を浴びる八ヶ岳が見たくて‐‐‐。
茅野から小淵沢まで西陽に照らされる八ヶ岳が断続的に車窓に現れる。今週2
回の雨は山でも雪にはならなかったようだ。谷間に残る雪は白く、峰の崖が黒く
両方ともくっきりとしている。夕陽は霞みがかった太陽からのものでやわらかく
、山肌の抑揚も強烈ではない。“春の八つ”になってきた。小淵沢から日野春あ
たりまで形の好い“南八つ”が見えるのだが、この時期ではもう暗くなってしま
って見えなかった。
20時国立駅に降りる。都会の明かりがきらめく中に、もうこの街の桜
は満開になっている。春の花「さくら」は日本中どこにあっても好い。
八ヶ岳山麓では1ヶ月先になるだろう。
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