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風次郎の『八ヶ岳山麓通信』 No267
     
  夕映えの八ヶ岳秋

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                     冬支度                                                 2017・秋


                                天気に見放されることはないと言われる文化の日は、やはり晴れ上がって良かった。
                                前日までは雨が降って東京の自宅で富士見の冬支度に出掛けるのを躊躇したのだが、
                               夜半には小降りになり朝は上がっていた。
                                濡れた道路を駅まで歩き、早朝の電車に乗る。
                                明け方の電車は、まだ暗い空の下の街並の灯りを窓に映しながら走り、高尾のトンネ
                               ルを抜けていく。相模川の谷間を鉄橋トンネルと繰り返しつつ白んだ朝の景色から、
                               中央線らしい風景が始まっていくのである。
                                雨上がりの霧が山肌にまだ纏わりついて流れていた。それなりに濡らされた山の風
                               情が美しい。
                                甲府を過ぎてからの山には、最早期待通りの紅葉が始まっていた。当然のこと、山
                               梨、長野の県境を越えて、中央線の最高所地点あたりから見あげる八ヶ岳は、朝日が
                               霧を除けたように西岳の峰まで陽を浴びてスッキリ姿を現していた。
                                山麓の駅「富士見」に降り立って、列車から降りてスポーツの為にか学校に向かう
                               中学生達と別れ、人気のない道を南天寮に向かう。私には最早肌寒い。 
                                前回から取り掛かった冬支度は、まだ枯れてしまわない芝生や土手草の手当を後回しに
                               残して木々の枝を払う作業である。
                                今年は殊に夏が暑かったから松も白樺も大きく枝が伸びた。
                                松は昨年手を抜いたから太枝をチェンソウを持ち出して払うなど一本に2時間をも要する。
                               玄関前の1本は多少丁寧に取り掛かるとして最後に残し、土手の5本のうち前回終わった
                               分を除く3本に取り掛かり、どうにか作業を終えたのは午後2時前であった。
                                あとは畑の先に立つ赤木蓮と白樺林であるが、あまり精を出して長時間作業をする
                               と身にこたえるので、このところはその辺で遅い昼食にして作業を終うことにしてい
                               る。
                                まだ陽が高く、静かな庭先で黄色くなりはじめた白樺の葉が落ちるのを眺めながら
                               簡素な昼食をゆっくり楽しむのは、時を惜しまなくて良くなった老人生活の恩典であ
                               ろう。
                                それを愉しむために来ているようなものだ。と――

                                あまり良い日だったので、思い切って木蓮の木にも手を入れた。本当はうんと大き
                               くして春の艶やかな花咲く大木を楽しみたいと思っていたのだが、とてつもなく大き
                               くなる木だからいづれ始末が負えなくなることを思い、方針転換したのだ。
                                太い枝を2本払い、芯を止めた。来春花が終わったら、整形しよう。
                                白樺は次回の作業に残し、その日の日程を終わった。
 
                                西山の稜線に陽が近づき、八ヶ岳の西表が輝くように照らされているのを眺めなが
                               ら夕方の尾根道を歩き、小高い公園から遠い富士の峰を仰いで晩秋の日を終える。
                                素朴な、楽しめる田舎暮らしのひと時と言えようか。

                                                                            風次郎

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