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風次郎の『八ヶ岳山麓通信』No 25


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2003年7月19日

   風次郎
  fuujiro@geocities.co.jp

  シジュウカラ
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 植物には快適であろう梅雨の季節は、どんどん草木が伸びる。土手の草刈も
もう2回目だ。草刈と合わせてもみじの木を剪定したら、シジュウカラが巣を
作り子育てしているのを見つけた。危うく剪定鋏で巣を傷つけるところだった
が、親鳥が直前に飛び立ったのでびっくりさせられて気が付いて良かった。
 よく見ると赤子が4〜5羽かたまって大きな口を開けている。巣の上の方の
枝を落としてしまったから雨除けがなくなってとても可愛そうなことをしたと
思う。
 毎日観察していると、雨のときは親鳥がじっと赤子を羽の下に抱えて守って
いるようだった。
 このもみじの木は寮の土間口(裏玄関)の軒から3m位離れた土手の中程に
立っている。土間は農作業の道具置き場を兼ねているので、道具を持って菜園
に向かうにはどうしてもそのもみじの木に近づき下を通ることになる。親鳥は
その都度飛び立ち10m位離れた電線にとまって、ヴィーッ、ヴィーッと声を
立てて鳴く。尾を上下に振りながら眼の位置に横に入った黒い線をあちこちに
動かして、つがいに警戒の知らせを送っているのだろうか。
 シジュウカラの類はつがいが揃って子育てをするようである。だから夫婦で
虫を取ってきては交互に巣に入って行くし、夜は夫婦揃って狭い巣に子供を守
って蹲っているのだそうだ。なるほど、今回はじめて観察できる位置の巣を見
つづけることが出来てとても微笑ましく思った。

 巣を見つけてから2週間たった。梅雨もそろそろ明けそうな気配もある。晴
れたときに山の雲がむくむくとして白く重なる形をようになったから、夏は近
いと思う。
 シジュウカラも梅雨時に子育ては大変だっただろう。

 16日は軒先の芝生の緑にサーッと流れるような朝陽が射しこむ明け方にな
った。
 その朝陽の中で、土手から近い芝生の端の横に掛けられた物干し竿にとまっ
たシジュウカラの親が士きりに鳴いている。「ヴィーッ、ヴィーッ」としきり
に巣のほうに向けて呼んでいるようだ。2、3回鳴くと巣のほうへ飛んでいっ
ては又竿に戻る。この動作を繰り返し、しばらくすると高い位置の電線に止ま
ってまたヴィーッ、ヴィーッと鳴いている。
「そうか、雛鳥の巣立ちかもしれない。おそらくこれは飛行訓練の開始なのだ
ろう。‐‐‐」
 巣と物干し竿の間は4〜5m、高低差2mである。下は紫陽花の株と芝生だ
から心配ない。風次郎はこれをしばらく眺めていた。だが、10分もすると親
鳥のこの動作は終わってしまった。雛はまだ飛行訓練をする勇気が湧かないの
だろうか。それとも長い時間このパターンを続けることは、周囲に一族の存在
を顕わにしてしまうから、親鳥はテストを試みただけなのかもしれない。
 夕方望遠鏡を使って巣を確かめると親子はやはりかたまりになって蹲ってい
た。天気は又下り坂。朝陽の中の鳥達を見られないのはかなり寂しい。

 この週末の雨が上がると、シジュウカラは巣立ちをするだろう。じめじめし
た梅雨の季節に代わって太陽がいっぱいの本格的な夏がやってくる。巣だった
小鳥達にも元気いっぱいの夏がくるのだ。

 梅雨の雨をしっかり浴びた土手の草は強い日の光を浴びてまた繁るであろう。
 
 そしてあの巣ももう使われないものとなってしまうだろう。
 時は巡る。
 来年は巣箱を用意しておいてやろうか。新しい鳥の家族が来てくれるように。

                               (風次郎)