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風次郎の『八ヶ岳山麓通信』No 22

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2003年6月28日

   風次郎
  fuujiro@geocities.co.jp

雨と紫陽花

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 時々陽射しがあったり、あざやかな夕焼けが見られたりすることもあるが梅
雨のらしい雨の折りこまれる日々が続いている。
 里山に入ったら、まだやまぼうしがいっぱい咲いていた。雑木林の広葉樹が
精一杯広げた緑の中にその白を控えめに映していた。
 山は今、栗の木の花盛りで小さな花火をまとめて灯したように、糸状の花が
それぞれの木に満開である。今年は特に目立って一斉に咲いたような気がする。
 栗の花は黄色く淡くぼーっとして木全体も薄暗くなった夕方は大きな提灯の
ように見えたりする。沢山の花は秋にはよい実りになるのだろう。
 雑木林の中には栗の木も多いので賑やかである。ただ、同時に似たようにぼ
ーと咲くねむの木の花のほうがやわらかく優しい。

 里ではそれぞれの家の人々がいろいろな花を軒先に植え込んでまるで競って
いるよう。昨今はヨーロッパ調の壁掛け栽培も取りいれられて花いっぱいに飾
られているところも多い。
 畑でも、畑作に良い意味の余裕も伴った証しであろう、周囲や脇のスペース
に必ずと言ってよいくらい花畑がつくられている。軒先であれ、畑であれ、春
先一面のシバザクラなどで目を潤してくれた里の花畑は、いまマツバボタンや
マリーゴールド、マーガレットそのほかに名も知らない美しい花々でいっぱい
だ。品種も改良されているし、地に合った良いものが沢山外国からも入ってき
ているらしい。八ヶ岳を背にした富士見高校は伝統の農業科がおかれている事
で有名?だが、中でも園芸部はいつも町にでて、市民に花いっぱい運動を展開
しているとのことである。彼等の貢献も大いにあっての事と思う。

 雨の街は静かだ。
 あいまに陽の射しこむこの季節の街には紫陽花が合うと思うが、この街で見
る紫陽花の数は少ない。気温が少し低すぎるのである。それでも所々で見る若
緑の株に幾つか花蕾を見るようになった。
 私は紫陽花の花も好きだ。
 若いころから、転勤で住まいが変わっても持ち歩いた株を分けて南天寮にも
植えているが、今年は去年に続いて花蕾をもっていて嬉しい。
 紫陽花は街に咲くのが好いように思う。
 街の人々のように色模様がどんどん変わる。雨に濡れて咲き始め咲き終わる
と夏が行く。
 中には立ち枯れて冬までそのかたちを残すものもあるが、大抵は散りぎわが
良くない。というか、無残にだらけて見苦しい。華やかに舞台で観衆を湧かせ
ていたスターが魅せるものを失なって衣装さえ捨てるような哀れさをも思わせ
る。もっとも花の形の大半は装飾花、額であり本当の花は中心の小さなものと
のことなのでわかるような気もするが。
 成せる事なら立ち枯れをとの人生を、比喩したりしてしまう。
 
 本州の海岸が自生源だという。
 若い頃、葉山の海岸でヨットにのめり込んだ夏、ハーバーへ通う浜の脇に青
い瓦と白い壁のこじんまりした家があり、その屋敷の芝生の庭に、陽に輝く紫
陽花の株を見た。
 数日ごとに眺めるその花はうす緑が一旦白く変わり、そしてピンク、赤、青
と微妙に変わっていった。一日中ヨットを滑らせ、朝夕通って眺めたりした事
もある。
 今あの株はどうなっているだろうか?
   
   〇
 あの時、クルーの女の子が「あの花ひとつほしいわ!」といった。
 僕は、「だめだめ」とだけ。
 シーズンが終わったら、その家を訪ねて株分けをお願いしようかと密か
 に思ってはいたが‐‐‐
   〇
 
 あじさいの詩(うた)はいくつも書いた。雨上がりの陽射しを浴びている明
るい夏のイメージが好きである。
 あじさいのスケッチも何回か試みた。
 しかし、いつもいずれの場合も背景には青い瓦と白い壁の家が浮かんでくる
のであった。
 あじさいは白と青のあいだを流れる風に揺れて咲くのだ。7色に輝く夏の陽
に満たされて‐‐‐。

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 夏至がすうっと過ぎて、もう今週で6月も終わりと思うと、本当に月日の流
れの速さに驚きます。今年はこんな風に過ごそうなどと思っていた事が何も手
付かずで「あせることはないさ」と呟く事が癖になりつつあります。
 「八ヶ岳山麓通信」思いの外大勢の方々にご購読いただき、心から御礼申し
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                            (風次郎)