☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
  ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
       
風次郎の『八ヶ岳山麓通信』&『東京センス』  
   No179

渋谷のハチ公レリーフと我が家のナナ
★★★★★★★★★★★★★★★★★
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

                                                     2007年2月27日
「ナナ」のこと                        
                                                    風次郎
                                                  fuujiro@jcom.home.ne.jp

ффффффффффффффффффффффффффффффф

 私の家には愛犬「ナナ」がいる。メスの10歳。偶然にもこの犬は八ヶ岳山麓で
生まれた犬なのである。とは言っても私の旧家「南天寮」ではない。清里高原のあ
る牧場で芝犬とシェットランドの両親から生まれた。
 飼い主からあずかった国立の近所の方が、「家族みんなで可愛がってくれる人に」
との条件付で里親を募集していた。生まれて数週間の気の弱そうな可愛い犬だった
せいか応募が多くて抽選とのことであった。
 我が家ではちょうど前居た犬が行方不明になり、2ヶ月も探し続けても当てがつ
かず、落胆していたときだった。聞けば八ヶ岳から来たということでもあり、家族
がひとりひとり見に行くと、とても可愛さに我慢ができなくなって、結局夜遅くま
で家族5人でで押しかけて無理な談判をして抽選なしでいただいてきた経緯がある。

 メスを飼うのは初めてだった。子供が生まれると捨てるのは可愛そうだからと、
手術をしたが、後になってみるとそれも可愛そうだったように思う。しかし、オス
に比べたらとても穏やかでメスのほうが飼いやすいのかもしれない。
 人懐こい好い犬だ。
 名前を「ナナ」にしたのは、渋谷の有名な「ハチ」のように忠実に、でも「ハチ」
には及ばなくともいいよという意味である。もうひとつには、私は家内のことをエ
ッセイに語るとき、彼女が花を好きだからと「ハナ」としているので、こちらから
も引っ張ってひとつ手前の「ナナ」なら宜しかろうと私が決めてしまったのである。
 長男も長女も所帯を持って出て行った今、「ハナ」は「ナナ」を甘やかしっぱな
しだから、家の内外いつも付きまとわれてばかり。忠犬ハチ公にあやかる為の訓練
は毎朝散歩に連れ出す私の役割だったが、やっとテニスボールを咥えて持ってくる
ことができる程度で、いまだに見込みはない。渋谷駅に下りると必ずハチ公口のレ
リーフを眺めて苦笑いを隠さずに佇む時を過ごす。
 「ナナ」は車が苦手で、信州へ行くときは10歳の今でも車酔いが治まらない。
それでもあちらで、リードから離れて南天寮でのびのび遊ぶのを見ていると、やは
り自然の中の野性がいい。風次郎の山行きと同じだな、と思う。
 しかし、一方で10歳では彼女ももうピークかと、お互いの生涯を思ったりする
のである。都会育ちではあるが、結局私と同じように、いつかは山に眠ることにな
るのだろう。


                                 風次郎 
 

メルマガ「八ヶ岳山麓通信」&『東京センス』No180へ 
メルマガ「八ヶ岳山麓通信」&『東京センス』のトップへ
風次郎の「八ヶ岳山麓通信」&『東京センス』のトップへ
風次郎の「世界旅」へ