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風次郎の『八ヶ岳山麓通信』No 16
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2003年5月
風次郎
fuujiro@geocities.co.jp
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―― 週末は晴天 ――
先の日曜日の午後からぐずつき始め、今週は爽やかな五月晴れとはいかなかった。
特に月、火は晴れ間はあっても風を伴い、また朝の冷え込みがきつく、畑に植え
たナスやキューリには遅霜対策の覆いが必要だった。水、木は雨、それも昼夜にか
けてかなり激しく降った。やっと昨日はこの雨があがったが、すぐに雲に覆われて
しまった。
この時期、新緑と共に農家にとっては植え付け、種まきの季節、あちこちの水田
が水をたたえ、田植えも始まった。農業には曇りや雨のほうが良いのかもしれない。
ただ、雨は降ったけれど富士見で14℃〜18℃と比較的気温は高く、その点で
は快適だった。このように気温が安定してくると新緑の勢いは益々盛んで、ひと朝
毎に鮮やかさが大きくなっていくのが分かる。木々の枝の間、森や林の斜面は燃え
る若緑で埋め尽くされた。
雨の中を歩いていると、この鮮やかな緑が濡れた輝きを伴って光る。その緑が今
日は濡れたまま陽の光をうけて一段と明るい。
光る緑の季節である。
“あざやかな緑よ
明るい緑よ
鳥居を包み,藁屋を隠し
薫る、薫る
若葉が薫る”
こんな歌が昔の小学唱歌あったと思う。
藁屋はあまり見当たらなくなったが、鳥居はあちこちにある。鳥居のあるところ
は大体が神社の境内だから、大きな木の緑に隠れて艶やかに塗られた赤でさえ参道
を離れると見えなくなってしまうほどだ。
この地には社は多い。諏訪大社の小宮が多いのである。
諏訪地方は文字通り「諏訪大社」氏子の郷である。張り巡らすと言えるほど全国
に末社を従える諏訪大社は、申年と寅年に大祭「御柱祭」(オンバシラマツリと読
む)を行う。八ヶ岳から社の四隅に立てる御柱を、山越え谷越え川越えて、氏子総
出で引き出してくる、豪快極まりない神事を行う奇祭は全国的に有名である。その
来春の祭りに備え、最早八ヶ岳の御柱山ではその柱が切り倒された。
この地方の神社という神社は、小宮であってもその規模なりきのこの神事を行う。
小宮の祭りは秋である。だから来年は1年中お祭りと言うわけだ。
古来、氏子である農民たちは、春まだ浅い残雪の山坂を滑らせて、社の柱とする
大木を八ヶ岳から里に引き出す大社(本宮)の神事を行った。それを終えて春の野
良仕事に勤しみ、秋は収穫を終えて産土の宮にも柱を建て、祭りを楽しんだのであ
る。
読者諸氏はこの富士見高原一帯の八ヶ岳山麓が、まだ八ヶ岳が活発な火山活動を
続けていた時代(縄文時代)広大な集落として栄えたことをご存知だろうか?
諏訪大社(本宮)は諏訪湖をはさんで南側に上社(男神)の本宮と前宮、北側に
下社(女神)秋宮と春宮がある。いうまでもなく諏訪湖は天竜川の源水。大社は大
国主命の次男建御名身方命(タテミナカタノミコト)をまつるのであるが、兼ねて天をお
さめる竜神である。このいわれはいずれの機に譲るとして、厳寒の冬、諏訪湖が結
氷すると、両性の神が氷上で逢引きをすると言われる“御神渡り”(オミワタリ)
で氷が割れ、音を立てて盛り上がる現象も有名である。
富士見の町にもいくつも小宮がある。中でも乙事(おっこと)部落には国宝(重
文)になっている諏訪神社は貴重だ。
来年7年に1度の祭り。来年の祭りは盛り上がるだろうか。
雪が比較的多くて遅くまで残っていたせいか、今年の緑は例年になく鮮やかに見
える。、南天寮の白樺小林も、若緑に白い幹がくっきり爽やかで今が一番美しい。
(風次郎)