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風次郎の『八ヶ岳山麓通信』No 12
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大変暖かい日が続いているが、八ヶ岳山麓はまだ桜が咲かない。今日あたり
はこの暖かさでちらほらしてくるのではないだろうか。
東京(多摩国立)と諏訪を行き来していると、春の情景を2度味わう事が出来
る。中央線に乗って、或いは中央道や甲州街道(国道20号線)沿いに走って、
春を楽しむには絶好の季節になった。東京の春は艶やかな八重桜も終盤を迎え
た。
今週は中央線の1番列車に乗って信州へ下った。信州八ヶ岳山麓にはまだ桜の
季節が来ていない。
列車が大月駅を発つ頃は、外の風景もすっかり見えるほど明るくなった。曲が
りくねった山襞を選り抜けるように、小さなトンネルを入ったり出たりする列車
の車窓からは、併行してうねる街道の様子を眺めていく。街道は増量した雪解け
水を集めて、流れの音が聞こえてきそうに見える元気な川筋とともに、葉のない
透けた木の並ぶ山襞を見え隠れしながら続いている。
下り列車が初狩駅を出て行く右手線路脇に、こんもりとした塚があって、そこ
は塚いっぱいが桜の木で覆われている。丁度満開の桜が咲いていた。
風次郎は毎年この桜を見るのを楽しみにしているが、今年はタイミングが合っ
て良かった。去年は絶頂期に春嵐があって良いところを見れなかった。なにせ駅
の構内だけに人だまりのないのが良い。それに木の立っている塚は巨大な石の塊
を横たえたような塚で猛々しく、その塚をいとも優しく飾りたてる数十本の桜の
風情が何とも言えない。早朝のややもやった春の山々を背景に実に見応えがある。
たくさんの乗客を楽しませてくれるのだろう。
車窓には、ところどころの堤の土手に植えられた桜の並木、曲がりくねった山
道に、これもまた揃って続く桜坂、里山の神社の境内が、そこだけ明るくなった
ように桜で覆われている風景などが映り変わる。このあたりの桜の咲き方は、雪
の消えた殺風景の枯野山にパット咲くのだから目立つ。勿論梅もユキヤナギなどの
花も同時に咲く。早咲きの枝垂桜はややピンクが濃いが、しかし他はまだ色を
伴う花の類は少なくて、野山は寂しい。
遠山の斜面にぽつんとこぶしの花を望むなども、まだ浅い春のしるしと思う。
そんな山里の景色の移り変わりが甲斐大和までつづいていった。
そして笹子の峠からトンネルを抜けて甲府盆地へ下らんとする勝沼駅に着くと、
そこはもう桜花いっぱいの大きな花森の中だった。桃や梅の花もまじって甲斐の国
見渡すかぎりが花の都と化すのも間近だろう。
花盛りの甲府盆地はともかく、笹子の峠あたりと我が八ヶ岳山麓にはおよそ2
週間、春の訪れにずれがある。標高差がそれだけの差をもたらしているのである。
一旦花盛りの甲府盆地を通る列車は、韮崎あたりから八ヶ岳に向かって再び標
高を上げて進む。韮崎、日野春までは桜が咲き始めた。そして明らかに八ヶ岳の
裾のを走り始めたなと思わせるのは、ただ雪がなくなったばかりで枯草の野が広
がっている、甲州と信州の県境を走る頃である。
八ヶ岳山麓はこれからが一気に春を駆け抜ける季節になるのだ。
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