白川郷を観る

諏訪から飯田へ天竜川に沿って下り、恵那山のトンネルを抜けた愛知から飛騨、庄川を上って白川郷を見た。実はそれから能登の国は富山湾の和倉温泉に一泊し金沢の街を日本海沿岸へ高速道路を越前越中越後を抜けて信州へ戻る旅行だったのだが、私にとっては、白川郷は初めての地であり、かねてより合掌造りを実の眼のあたりにしたかったところである。
夏の名残の強烈な陽を浴びて、好天の川沿い道路を行けば、直前に危惧された台風一過の蒼空の下に黄金色の輝きを波打たせた豊かな稲穂の延々たるを眺める旅路だった。


庄川の資料館と白川郷を巡ってきた。
庄川地区は谷あいの、見るにも、戯れるにも格好な川瀬であった。そして目指す白川郷の合掌造りに萱を供給する郷との事である。
そこの川辺にも合掌造りを連なった古屋敷が、資料館公園として、この地を訪れる人々に憩いの場を提供しているのだ。

庄川の民族資料館                            旧家(白川ほどの高さはない)

  

合掌造り集落は、十三世紀中頃に、浄土真宗の布教による養蚕農家集落の名残であるが、今日その風情に至る歴史には部落統治者の変遷のみならず、社会生活環境の変化から遺産の消滅傾向が見られたようである。その後、国の重要伝統的建造物群保存地区に指定され、さらに1995年世界遺産に登録されるや多くの参観者を得て、保存の体制は充実したようである。
世界遺産登録の故は、合掌造りが葺き替えを集落総出で行う「結」(ゆい)の協同作業に対する賞評とのことである。

白川郷
  

暑い夏の午後ではあったが、清流を眺める木陰は涼しい風を呼びこんでいた。
舗道には村の風景を引き立たせるかのように、秋の花も咲きたたずんでいた。(01.8.24)